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2016年 6月 23日

ヘッドフォン検討

カテゴリー その他,ホビー

ご家族の方が、難聴者の方のきこえが体験できるツール「難聴シミュレータ」にも使うヘッドフォンを検討しました。

昔からなかなか好みのヘッドフォンは少なく、皆カラーレーションがありました。以前ご紹介したカナルのイヤホンの様な製品は今もなく、かつてはSTAXのコンデンサー型ヘッドフォンを愛用していたこともありました。

手ごろな価格で満足する音質のヘッドフォンを試聴したりしながら探しました。比較的低価格の中ではサウンド・ウォーリア SW-HP10がf特が平坦で癖がなく良好でした。しかしオーディオ機器もそうですが、今一魅力に欠けます。(f特:周波数特性)

次に少々価格帯を上げ、①ソニーMDR-1A、②パナソニック RP-HD10、③オーディオテクニカ ATH-MSR7の3機種に絞りました。①はいわゆるドンシャリで3機種中一番一般受けはすると思いますが、私の好みの音質ではありませんでした。ただ装用感は良かったです。②は一番好みのf特バランスで解像度も比較的高かったのですが、高域のピーキーな周波数が気になりました。③はやや高域の量が多いf特でしたが全帯域に渡って分解能、解像度が優れていて音楽ファイルの情報を余すことなく再現してくれる様です。低域はタイトで音階も良くわかりエレベーとバスドラもちゃんと分離して聞こえます。ただ他の機種との比較では量感は必要最小限でした(後述:大きく変化しました)が、3機種中では一番気に入りました。
160623_1 次にエージングの経緯を書きます。最初は先に書きましたようにややハイ上がりのf特でした。24時間連続で毎日チェックしながら、通常の音楽ソースでやや大きめの入力を入れ続けエージングをかけました。3-4日目には音質変化が少なくなりました。7日目には変化がわからなくなりました。音質的にはまずハイ上がりのf特が高域がおさまり低域の量感が出て大変聴感上平坦なf特に近づきました。すこし全体にギスギスしたところが取れ滑らかになりました。それでいてより解像度、透明感、定位感がアップし、また実在感のある良い方向の音になりました。

接続機器でもちろん変わりますが、世の中で時々目にする”ハイ上がりのf特、低域控えめ”はエージング前のコメントとした方が良さそうです。

このヘッドホンはケーブルを交換することで音の変化や向上を楽しむこともできます。このリケーブル用の完成市販ケーブルはお値段が結構します。

そこで良さそうな線材とコネクタを、秋葉原のオーディオ用ケーブルなどを扱う専門店で購入し自作しました。長年のオーディオ技術者としての経験と技術から、線材自体も吟味しとりまわしができる範囲で、DCR(直流抵抗)の低いなるべく太目の線材にしました。

音質は音量が聴感上2dB程上がったかの様に聞こえ、低域の量感が増し高域の滑らかさも向上、力感が大きく向上しまるで生の音楽のDレンジを彷彿とさせる音質へと大変身しました。音が交換前と比較すると圧縮されていた感があり、交換後はのびのびとしDレンジが広がりました。(Dレンジ:ダイナミックレンジ・・・音などの最小と最大の大きさの差)尚、音質は大きく改善しましたが、取り回しは付属品の方が優れています。
(写真左の白黒がリケーブルした高音質銅線材使用のスターカッド線、右の茶色が通常の銅線を使った付属品)

材料費は約¥1,600と安価でできました。このケーブルとの組み合わせでは、5万円クラスのヘッドフォンには充分匹敵すると思われます。もちろん別の線材を使えばまた違う音質になり色々な音色が楽しめます。

システム詳細はまた後日ご報告しますが、音源:iPhone6、音楽再生アプリ:HF Player(ONKYO)、モバイルDSDヘッドフォンアンプ:iFI nano iDSD(5.6M DSD変換可設定)を組み合わせています。

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